保育研究所研究集会に参加しました

10月27日(日)と28日(月)の二日間に渡り東京都新宿区の保育プラザで行われた
「第41回 保育研究所研究集会」に参加しました。
保育制度・施策についての課題などを学びました。

保育研究所研究集会に参加してきました

現在の保育制度の問題点

保育制度については現役保育士の時には目の前の子どもの保育で手一杯で、なかなか勉強できませんでした。
行政書士になってからあらためて学びなおしています。
保育士の視点に加えて、行政書士の視点からも問題をみつめることができ、
視野が広がっていることを実感しました。

今の制度上、問題はたくさんあるのですが、今回は2019年10月から始まった保育料の無償化に伴う問題点について書きたいと思います。

認可外保育施設の無償化に伴う保育の質の低下

「認可外保育施設」が、認可園と同等に扱われ、「特に制限なく」これから経過措置とされる5年間は無償化(2号認定の子ども上限37,000円)の対象になります。
この「特に制限なく」というのが問題で、国が定めている最低基準(1歳以上の子ども一人当たり1.65㎡!)すら満たしていなくても良いのです。(1.65㎡は、だいたい一畳分。なんと5歳児でも同じ基準です。)安全面で問題があると言わざるを得ない施設が無償化になり、利用者が増えれば悲しい事故が起きる可能性が高まります。
※認可外保育施設でも、きちんとこの最低基準をクリアして独自の素晴らしい保育を実施されている保育園もたくさんありますので、認可外保育施設全てに偏見を持たないようお願いいたします。

給食費(副食費)が無償化の対象外。むしろ負担が増える家庭も

今回の無償化では、今まで保育料の中に含まれると考えられていた副食費が対象外となりました。「自宅で子育てをする場合も同様に掛かる費用であるから」という理由だそうです。
要するに、「保育料は無償化の対象だが、副食費は保護者が負担してください」となったのです。
認可園では、住民税非課税世帯の保育料(副食費含む)は今までも無料でした。それが急に副食費を請求されることになり、むしろ負担が増えることになってしまった家庭もあるのです。

保育士の仕事増大、さらなる保育士不足へ

無償化によって悲鳴をあげているのは住民税非課税世帯だけではありません。
園によっては、実費徴収となった副食費の集金作業が新たに発生し、現場の保育士が本来の保育業務を圧迫されています。
さらに良くないことに、無償化によって家庭の保育料の負担が減った分、今度は有料の延長保育の利用が増えました。
長く見るべき子どもが増えるということは、その分保育士の事務仕事に割ける時間が減ることと同じです。保育士に課せられる仕事が多すぎて業務が勤務時間内に終わらない現状に、更に拍車をかけたことになるでしょう。

なんのための無償化なのか

もちろん、負担が減って良かったという声もあるのですが、保育業界全体(子どもたちの環境)のことを考えると、問題が山積していると言わざるを得ません。特にこのまま保育士が冷遇され続け、やりがいだけではどうしようもなくなった時には、保育士はついに居なくなり「誰でもできる仕事」として無資格者ばかりがあてがわれ、質がおざなりになった保育が蔓延する可能性があります。
※もちろん現在、保育に携わる無資格者の中には、有資格者に劣らぬ素晴らしい保育をされる方もいらっしゃいます。

私のかつての同僚保育士からも「無償化が実施されても何も良くならない。」「むしろ子どもを見てあげられる時間が減った。」「持ち帰り仕事が増えただけ。」「社会から認められていない(と感じる)。」という声が本当によく聞かれます。

問題点を認識した上で、私にできること

保育士が今の問題ある制度に対して声をあげなければならないと、保育士さん自身も感じていると思います。
でも、普段の保育業務で忙しい現場の保育士にとってはこういった制度(複雑で難しいですよね。)を学ぶことが非常に困難です。とにかく時間がありません。

現場の保育士さんに変わる気持ちで、制度上の問題を認識し理解した上で業務にあたることが、元保育士の行政書士である私の使命だと強く感じています。「子どもの最善の利益」に資することができるよう、常に知識のブラッシュアップを図り、時には保育施設の職員の方にもお伝えできるよう努めていきます。

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