施設関係者におかれましては、新型コロナウイルスの対応で日々混乱を極めていらっしゃることと思いますが
ここにきて別の感染症が愛知県で確認されました。
愛知県の保育所で園児ら11人が細菌性赤痢に感染していたことがわかりました。
このうち4人の園児が入院中で、症状は軽いということです。
4歳の園児が発熱、下痢を訴え病院で診察を受けて感染が発覚したようです。
この保育園に通う全ての園児や職員などを対象に検査したところ、14日までに他に10人の感染が確認されました。
感染経路や原因は特定されていません。
今回は細菌性赤痢についてまとめますので
参考になさってください。
細菌性赤痢とは
細菌性赤痢とは赤痢菌を病原体とする腸管感染症です。
細菌性赤痢の特徴
・細菌性赤痢のほとんどは国外で感染し、渡航中や帰国後に発症する
・国外で感染した人からの二次感染や、汚染された食品を食べることが主な感染例
・ごく少量の菌でも感染を起こす
・最近の症例では軽症がほとんどだが、小児や高齢者では重症例もあるため注意が必要
細菌性赤痢の感染経路
経口感染と接触感染です。
[食べ物から](経口感染)
菌がついた食べ物・水等を飲食することで感染
[二次感染](接触感染)
患者の便から排出された菌がトイレの壁やドアノブ等を介して手指についたまま、食事等をして口から感染
細菌性赤痢の症状
感染後1~5日の潜伏期を経て、下痢、発熱、腹痛等が発症。
特徴的な症状は
・膿粘血便(膿や血液が混じった便)
・しぶり腹(便意があるのに排便はない状態)
細菌性赤痢の感染予防
・赤痢菌は、熱に弱いため、十分な加熱調理で汚染された食べ物からの感染を防ぎましょう
・石けんによる手洗いをしっかり行いましょう
・玩具や手すり、トイレ等の消毒をおこないましょう。アルコールをはじめほとんどの消毒剤が有効です。
糞便の処理の仕方
・患者の排便後のトイレ、水道蛇口、ドアノブをアルコール等で拭き掃除してください。
・おむつを使用している場合は、使い捨て手袋、使い捨てマスク、使い捨てエプロンを着用し、消毒液をかけるなど適切に処理をしてください。
・便で汚れた衣類は、施設では洗いません。
大まかに汚れを落としたあとビニール袋で2重に密封して保護者に渡します。
洗濯機にかけると洗濯機内で菌が付着してしまうので、洗濯機を使わず他の家族とは別で洗濯するように必ず伝えてください。
細菌性赤痢かなと思ったら
症状から感染が疑われる場合は、自己判断で整腸剤などを飲ませないでください。
特に下痢止めは合併症を引き起こすことがあります。
ただちに内科・小児科などを受診しましょう。
細菌性赤痢はうつる病気です
新型コロナウイルスの対応でただでさえ大変かとは思いますが、
こういった病気が愛知県の保育園で発症したということをふまえて、しっかり情報を整理しておいてください。
新型コロナウイルスと細菌性赤痢は症状がちがいますが
予防方法はそれほど変わりませんので心配しすぎなくても大丈夫です。
遊具や壁、玩具等の消毒と手洗いの励行をしっかりと行いましょう。