【テレワーク】児発・放デイの管理者や児発管もテレワーク可能?児童指導員や保育士は?日数や時間数に限度はあるの?考え方や留意事項について

児発・放デイの求人情報を見ると、「児発管テレワーク・リモートワーク可能!」のような表示を度々見かけます。
法令等には直接ダメとかいいとか書いてあるわけではないので、なんとな〜く事業者の判断でそのような勤務を認めていたところもあったようです。
当然よろしくないとする指定権者がほとんどでした。)

さて、令和6年3月29日にそのテレワークについて通知が出されました。

今回はこの通知についてわかりやすくまとめます。

※ 弊所ブログ記事はそれぞれの指定権者ごとの解釈に対応するものではありません。
必ずご自身でも指定権者や国保連などの最新情報をご確認ください。

障害福祉のテレワークとは

「人員配置基準における情報通信機器を活用した遠隔での業務の実施

のことを言います。

事業所や施設、利用者の居宅等のサービス提供の場所以外の場所で行われるものに限ります。

基本的な考え方と留意事項

管理者について

管理者については、管理上支障がない範囲内においてテレワークにより業務を行うことが可能

管理業務をテレワークで実施するに当たっては、「事故発生時」「利用者の状態の急変時」「災害の発生時等」に管理者がテレワークを行う場合における緊急時の対応について、あらかじめ対応の流れを定めておくとともに、必要に応じて管理者自身が速やかに出勤できるようにしておくこと

あおやぎ

管理者のテレワークは、緊急時の対応を決めた上で必要に応じて出勤できるならOKということです。

児発管(管理者・直接処遇職員以外)について

利用者の処遇に支障が生じない範囲内において、テレワークにより業務を行うことが可能
書類作成等の事務作業、事業所外の専門職との連絡、職員間の会議等、利用者に対して支援を行わない業務については、テレワークで実施しても、利用者の処遇に支障は生じないと考えられる

個別支援計画やサービス等利用計画等の利用者へのサービス提供に係る計画の作成をテレワークで行うに当たっては、利用者の直接的な観察や対面でのやり取り、他の従業者からの聞き取り等による適切なアセスメントが十分に行われた上で計画を作成する必要があることに留意すること

利用者・入所者との面談・相談(利用者の出席を原則とする会議を含む。)やアセスメント等のための観察等の業務については、相手方の表情や反応を直接確認する必要があり、自身と相手方の双方に相応な機器操作能力が求められることに加え、情報通信機器を通じた音声の聞き取りづらさ等、意思疎通の上で一定の制約があるため、面談等をテレワークで実施する場合は、意思疎通を十分に図ることが可能な利用者について、利用者本人及び家族の同意がある場合に限るなど、慎重に判断すること

指定基準及び障害福祉サービス等報酬上の取扱いにおいて、面談・相談やアセスメント等の実施に当たって利用者の居宅等を訪問して行う等により、対面で実施する旨規定されている場合においては、テレワークでの面談等の実施は認められない

あおやぎ

児発管のテレワークは「ダメ」とは言っていませんが、留意事項がかなりあります。
特にアセスメント等の面談をテレワークで実施する際にはかなり気を遣ってください。
指定権者においても、児発管のテレワークについては慎重なところも多いのが実情。
後々問題になることも考えられますので、テレワークを検討する段階で指定権者に話を通しておくことが無難でしょう。

児童指導員・保育士等(直接処遇職員)について

直接処遇業務については、利用者の状態を直接確認しながら行う必要があり、テレワークで実施した場合、利用者の処遇に支障が生じると考えられる

あおやぎ

平たく言えば、直接処遇職員のテレワークはダメってことです。これは当然ですね(笑)

その他の留意事項

従業者がテレワークを行い、事業所等を不在とする場合であっても、サービスごとに運営基準上定められた各職種の責務・業務に加え、当該従業者が実務上担っている役割を果たす上で、支障が生じないよう体制を整えておくこと

テレワークを行うことができる日数・時間数については、障害福祉サービス等のサービス類型や事業所等の実態に応じて、各事業者において個別に判断すること。なお、終日単位で事業所等を不在にするテレワークの実施については、利用者の処遇に支障が生じないか、特に慎重に判断すること

個別の業務についてテレワークでの実施が可能な場合であっても、事業所等を不在とする時間が一定以上生じることで、当該職種としての責務の遂行に支障が生じる場合には、テレワークを実施してはならないこと

従業者がテレワークを行うことで、当該従業者が基準上担っている業務以外の部分も含め、テレワーク実施者である当該従業者本人及びテレワーク実施者以外の従業者に過度な業務負担が生じることのないよう、留意すること

勤務時間中、利用者と従業者の間で適切に連絡が取れる体制を確保すること。また、利用者やその他関係者と、テレワークを円滑に行えるような関係を日頃から築いておくこと

テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」を参照しつつ、テレワーク実施者の労働時間の管理等、適切な労務管理を行うこと。また、テレワークに係る労務管理・ICT の活用等の事業者向け無料相談・コンサルタント窓口として「テレワーク相談センター」を設けているため、必要に応じ活用すること

テレワークの実施及び内容について、利用者やその家族、都道府県、市町村等から求めがあれば、適切かつ具体的に説明できるようにすること

個人情報の適切な管理について

利用者やその家族に関する情報を取り扱う際は、個人情報保護関係法令、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインに関するQ&A」中Q1-21、Q1-35 等を参照し、特に個人情報の外部への漏洩防止や、外部からの不正アクセスの防止のための措置を講ずること

あおやぎ

上記Q&AのQ-21とQ-35記載ページのみ以下に抜粋しましたので、要チェックです。

上記に加えて、第三者が情報通信機器の画面を覗き込む、従業者・利用者との会話を聞き取るなどにより、利用者やその家族に関する情報が漏れることがないような環境でテレワークを行うこと

利用者やその家族に関する情報が記載された書面等を自宅等に持ち帰って作業する際にも、情報の取扱いに留意すること

まとめ

国としてはおおむねテレワークを認めていくスタンスであることが伝わりましたでしょうか。

ただし、留意事項がたくさんありますし、何より特に児発管のテレワークの扱いには充分注意が必要です。

慎重に検討をお願いいたします。

ご相談は弊所まで

弊所の記事をご覧になっても問題が解決しない場合には、一度ご相談をいただいた方が良い可能性があります。

お気軽に児発・放デイのすきっぷ(青柳夏苗行政書士事務所)までご連絡ください。

この記事を書いた人

行政書士 保育士 青柳夏苗