【情報公表未報告減算】いつから?ワムネットの更新必須!減算の期間や単位数は?情報公表未報告減算とは

情報公表未報告減算をご存知ですか?
令和6年4月に障害福祉サービス等報酬改定が行われ、新設された制度です。

「知っているけどよくわからない」「ウチは大丈夫なのかな?」と仰る事業者様も多いのがこちらの減算。
今回は情報公表未報告減算について、わかりやすくまとめました。

※ 弊所ブログ記事はそれぞれの指定権者ごとの解釈に対応するものではありません。
必ずご自身でも指定権者や国保連などの最新情報をご確認ください。

情報公表未報告減算の内容

障害福祉サービス等情報公表制度の目的

そもそも情報公表の目的ってなんでしょう?

簡単に言えば、「利用者の権利擁護及びサービスの質の向上」です。

もっとわかりやすく言えば、
利用者が障害福祉サービスの内容を事前に知ることができて、事業所を選べることが大事だよね!
事業者にとっても、利用者に評価されることでサービスの質がアップするよね!

という感じ。

対象事業

すべての障害福祉サービス事業です。
もちろん放課後等デイサービスや児童発達支援も含まれます。

要件は?どんな時に減算になるの?

減算になってしまう時とは、

  1. 児童福祉法33条の18第1項(※1)で定められた情報の報告を行っておらず、
  2. それが指定更新や運営指導などで発覚し、
  3. 指定権者が報告するように指導したにも関わらず報告しない

場合です。

あおやぎ

(※1)[児童福祉法33条の18第1項]ふんわり要約(あくまでもふんわりです)
事業者は事業を開始するとき、情報公表対象の情報(サービスの内容と事業者や施設の運営状況に関する情報。利用者がスムーズにサービスを利用できるように公表されるべきもの)を、事業所や施設の所在地を管轄する都道府県知事に報告しなければならない。

何をどうやって報告するの?

報告の方法

原則、ワムネット上で報告します。

ただし、公表システムを通じて報告できないやむを得ない事情がある場合については、文書等による報告も可能とする指定権者が多いでしょう。(長野県はそうです。)

報告する情報

報告する内容は、法人や事業所の基礎情報、財務状況、従業者、サービス内容など多岐にわたります。
指定権者等によって異なる項目もありますが、基本的にはワムネットの入力画面とにらめっこで解決することが多いでしょう。

報告内容等についてはこちらを参考にしてください。

報告の期限

長野県の期限は以下のとおりです。(どの指定権者も基本的には以下の通りですが、指定権者によって異なる可能性もあります。)

●令和6年4月1日より前に指定障害福祉サービス等を提供している事業者
報告の開始日:令和6年5月1日
報告期限:令和6年7月 31 日

●令和6年4月1日以降に指定障害福祉サービス等の提供を開始しようとする事業者
報告の開始日:指定障害福祉サービス事業者の指定を受けた日
報告期限:指定を受けた日から1か月以内

あおやぎ

令和6年4月1日より前に指定されている既存の事業者様は、報告期限が過ぎています。
指定権者によりEメール等で連絡が来ているはずなので、おそらく対応済みかとは思いますが、自信のない事業者様は早急にご確認ください。

令和6年4月1日以降に指定を受けた事業者様も、指定から1ヶ月という短い期間です。
うっかり忘れてしまったということのないように気をつけてくださいね!

長野県の実施要綱

長野県の実施要綱です。
詳細の確認はこちらでお願いします。

減算の内容は?

減算の単位数

放デイや児発の場合、利用者全員分の基本報酬の5%が減算になります。
決して小額ではありません。十分注意してください。

減算の算定期間

報告をしていない場合、未報告の状態になった時点(※)まで遡って、解消された月まで減算です。

(※)未報告の状態になった時点とは

月の初日からであれば当月から、月の途中からであれば翌月から

たとえば令和6年4月より前から未報告だった既存事業所が、令和6年9月に指導されたのに報告しない場合

減算は令和6年9月分からではありません。この減算制度ができた令和6年4月分から減算の対象となります!

発覚した月や指導を受けた月からではないので注意しましょう!

報告していなかった!どうすればいい?

基本的にはあってはならないことではありますが、報告していなかったということも起こり得ますよね。
上記の報告期限を守っていなかった場合は減算の対象になっている可能性がありますので、まずは正直に指定権者に相談です。

指定権者に相談の際気をつけること

  1. 状況を的確に把握、説明する
  2. なぜこのような状況に至ってしまったのか、わかりやすく説明する
  3. 対応できていなかった責任を認め、反省していることをお伝えする
  4. 素直に指示に従う
絶対にしてはならないこと

嘘をついたり、隠そうとしたりしてはいけません。指定権者には調査をする権限がありますのですぐに真実が明らかになります。

減算を算定していなかった場合は「過誤」の手続きを

いままでの請求が間違いだったということになります。
誤った請求のままにしていると、間違いなく運営指導で指摘されます。
また、悪質な場合には監査や行政処分(最悪、指定取り消しの可能性もあります。)や加算金の支払いなどにもなり得ます。

指定権者へ相談した段階で何らかの指示があるかと思いますが、誠実な対応が求められます。

あおやぎ

過誤とは、過去の確定した請求を事業所側の申し立てで取り下げることです。
慎重に、確実に対応していきましょう。

指定更新にも影響

情報公表未報告減算の適用だけではありません。

指定更新時に情報公表の確認ができない場合、指定更新ができません。
十分に気をつけましょう!

ご相談は弊所まで

弊所の記事をご覧になっても問題が解決しない場合には、一度ご相談をいただいた方が良い可能性があります。

お気軽に児発・放デイのすきっぷ(青柳夏苗行政書士事務所)までご連絡ください。

この記事を書いた人

行政書士 保育士 青柳夏苗