【基本知識+α】放デイ・児発の人員配置基準と注意点をわかりやすく解説

放デイ・児発を設立運営するにあたり、知っておかなければならない基本中の基本「人員配置基準」。
基本だけど、実は奥深〜い要件でもあります。

今回は指定権者(市や県)では(きっと)教えてくれない
運営上気をつけなければいけないポイントも合わせて解説します。

※ 弊所ブログ記事はそれぞれの指定権者ごとの解釈に対応するものではありません。
必ずご自身でも指定権者や国保連などの最新情報をご確認ください。

人員配置基準(定員10名の場合)

まずは基本的な「管理者」「児発管」「児童指導員等」の配置基準を表でおさえましょう。

職種配置人数常勤・その他要件備考
管理者1人以上なし児発管など他の職務と兼務できる
(業務上支障のない場合に限る)
児童発達支援管理責任者1人以上常勤・専従1人以上は常勤かつ専従
※管理者との兼任のみ認められる
児童指導員・保育士定員10名の場合は2名以上1人以上は常勤【定員10名の場合】
子ども:児童指導員等=10:2になるよう配置
利用人数がゼロであっても、サービス提供時間内(指定権者によっては営業時間内)は基準人数(2名)を配置する必要があります
利用人数が1名でも、児童指導員等は2名配置が必要です(5:1ではありません)
利用人数が10人を超えた場合、1〜5人増えるごとに児童指導員等を1名プラスで配置必須

ポイントはアンダーラインを引きましたが

  1. 利用人数がゼロでも児童指導員等を2名配置する必要がある
  2. 利用人数が1名でも児童指導員等は2名配置する必要がある
  3. 利用人数が10名を超えた場合、1〜5人増えるごとに児童指導員等は+1名配置する必要がある

この3点です。

管理者とは


管理者とは、事業所の全体的な統括が主な任務の役職です。

具体的には、利用者の申込みに係る調整、職員の管理や必要な指揮命令等を行います。
事業所によっては、請求業務を行う場合もあります。

特に資格要件はありません。
ですが、全体的な統括ができなくてはなりませんから、実務に長けている方が就任されることが望ましいでしょう。

他のすべての職種と兼任ができます。
しかしこれも、業務上支障のない場合に限られます。
よくみられるのは、児童発達支援管理責任者との兼任ですね。

あおやぎ

立上げ時は、利用者が少なく収益が少ないことが多いです。
最初は管理者と児童発達支援責任者(児発管)の兼務をお勧めしています。

児童発達支援管理責任者(児発管)とは

児童発達支援管理責任者とは、利用者に対する療育を管理する責任者です。

具体的には、子どもの個別支援計画を作成や関係機関連携、指導員の統括を行います。
事業所のサービス全体の責任者と言っても良いですね。
事業所によっては、請求業務を行う場合もあります。

個別支援計画の作成と、利用児童・保護者への相談援助業務は、必ず児童発達支援管理責任者が実施しなければなりません。

資格、経験等の要件があります。

管理者との兼務のみ認められています。

あおやぎ

利用者数が増えたら、兼務でなく単独での職務をお勧めしています。(人件費に余裕があればですが。)
児童発達支援責任者としての職務が疎かになっては元も子もありません。

児童指導員・保育士とは

児童指導員または保育士は、個別支援計画に基づいて利用者の障害特性や生活環境・発達に関する課題に配慮しながら支援を行います。

最低1名以上の常勤者を配置する必要があります。

子ども:児童指導員等=10:2になるよう配置しなければなりません。
定員を超えて利用者を受け入れる場合は、受け入れ人数に応じた配置人数に変わります。

保育士はもちろん、児童指導員も資格要件があります。

管理者との兼務のみ認められています。

障害福祉サービス経験者って?

行政の書類でもよく見る「障害福祉サービス経験者」。

これってなんですか?
とよく聞かれます。

実はこれ、もうないんです。

過去には障害福祉サービスの実務経験が2年以上ある方は、基準の人員として配置可能だったのですが
(令和3年3月以前に指定を受けた事業所は、令和5年3月まで配置可能でした。)
現在は廃止されています。

書類上、この記載がまだ残っている書式もたくさん見かけますが、気にしないで空欄にしましょう。

まとめ

今回は基本的な人員配置基準をまとめました。

行政の書類は複雑かつ難解です。
基本的な事項ですが、なかなかわかりにくいもの。
ぜひご参考にしていただければ幸いです。

ご相談は弊所まで

弊所の記事をご覧になっても問題が解決しない場合には、一度ご相談をいただいた方が良い可能性があります。

お気軽に児発・放デイのすきっぷ(青柳夏苗行政書士事務所)までご連絡ください。

この記事を書いた人

行政書士 保育士 青柳夏苗